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第262回 木造漁船 第五福竜丸はいかにして蘇ったか
        
〜 第五福竜丸半解体修理の記録 〜

2007年7月25日
文祥堂フォーラム 第262回講演

文祥堂フォーラム 第262回講演

文祥堂フォーラム 第262回講演

文祥堂フォーラム 第262回講演

第五福竜丸
破損 船首
第五福竜丸

第五福竜丸
破損 鉄錆
第五福竜丸
肋骨組立
第五福竜丸
船尾半解体修理
第五福竜丸
船尾組立
第五福竜丸
竣工 学生室内部
第五福竜丸
竣工1 船首
第五福竜丸
竣工 船首
 現在、東京夢の島の第五福竜丸展示館で保存されている第五福竜丸は、第二次世界大戦直後の食糧難時代に建造された木造漁船である。本年で建造60年目に当たり、人間でいえば『還暦』の年齢となる。木造船の耐用年数は20年とされるので、第五福竜丸は今日現存するただ一隻の大型木造船でもある。このように寿命が永らえたのは、この船が辿った数奇な運命によっている。
 まぐろ延縄漁船として南洋に出漁していた第五福竜丸は、1954年3月1日アメリカの水爆実験に遭遇し「死の灰」をあびて被災し、日本中が大きな騒動におちいった。その後、船は東京水産大学の練習船として使われ、建造20年目の1967年に廃船となり、夢の島に廃棄されてしまった。市民のあいだから第五福竜丸保存の声が起こり、都立第五福竜丸展示館が建てられ、船体の保存が図られた。
 しかし、この問題は船体を展示館に収納した時から始まった。僅か6〜7年で船体が豆腐のような腐朽状態になり、木造船としての構造を保てなくなったのである。1985年に開始された船体保存の工事は「古い船の中に伝統的な新しい木造船を組み込んで保存」というキャッチフレーズのもとで修復は進められた。伝統的な木造造船技術を駆使して第五福竜丸は甦った。
 船体保存工事の指揮を取った筆者(当時(財)文化財建造物保存技術協会技術職員)が、この困難な工事をいかにして遂行したか、その記録を紹介するものである。



日塔 和彦 氏
PROFILE ・・・・・・・・・・・・・・・・

日塔 和彦 氏 (にっとう かずひこ)
文化財建造物修復技術者・東京芸術大学客員教授
<略 歴>

1946年、山形県西村山郡三泉村生まれ
1969年、千葉大学工学部建築学科卒業
建設会社などを経て、1972年(財)文化財建造物保存技術協会に第一期生として入る。
1978〜83年文化庁文化財保護部建造物課勤務
1984年文化財建造物保存技術協会に復帰し、企画室長代理、重要文化財法華経寺祖師堂設計事務所長などを経て、1992年に企画室長、1998年東京事務所長、2003年東京支部長。
2004年3月退職、現在フリー。

<現 職>

千葉大学工学部・東京理科大学講師(非常勤)
茨城県文化財保護審議会委員
千葉県市川市文化財保護審議会委員
欧州茅葺き視察研修報告書刊行会 代表

<修理工事報告書執筆>

『重要文化財旧尾形家住宅保存修理工事報告書』 山形県上山市、1976
『重要文化財旧羽石家住宅移築修理報告書』 栃木県茂木町、1978
『第五福竜丸保存工事報告書』 東京都江東区、1989
『重要文化財法華経寺祖師堂保存修理工事報告書』千葉県市川市、1997 など

<著書・論文等>

  • 『北陸の住まい』INAX ALBUM36 1996 INAX出版
  • 「茅葺き建物の保存と活用」(共著) 『歴史的遺産の保存・活用とまちづくり(改訂版)』2006年3月、学芸出版社
  • 「屋根葺き(茅葺きを中心として)」『講座 日本技術の社会史・建築』日本評論社、1983
  • 「南方系の民家」(共著) 『月刊文化財』1981、第一法規出版
    『ヨーロッパの茅葺きとその技術』欧州茅葺き視察研修報告書刊行会(自費出版)、2000
  • 『ヨーロッパの茅葺きとその技術 その2』欧州茅葺き視察研修報告書刊行会(自費出版)、2002
  • 「千葉県における分棟型民家の研究」千葉大学卒業論文、1969

<研究テーマ>

  • 茅葺きの技術保存 日本の各地に残る茅葺きの技術を比較検討することにより、茅葺きの地方色を保存することを目的とする。
  • ヨーロッパの茅葺き調査 ヨーロッパ各国の茅葺きの現状とその技術を調査し、その結果を日本に紹介するとともに日本での茅葺き保存の必要性を啓蒙する。
  • 農村景観の保存 茅葺き屋根の残る美しい農村風景の景観を守るための調査・研究を行う。
  • 木造船の保存修理 第五福竜丸保存の啓蒙を行なうなど木造船修理技術の経験を生かす。

第五福竜丸展示館の公式サイト → http://d5f.org/




■ 講演内容 ■( 講演配布資料より )




第五福竜丸

第五福竜丸
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