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街の風景

ティエール(Thiers)

SCIP社があるティエールという町は、フランス・オーベルニュ地方にあります。
14世紀から刃物文化の中心の町としてよく知られており、ラギオール村で誕生したLAGUIOLEナイフも19世紀末ごろからティエールで作られるようになりました。
ティエールの住宅街
▲ティエールの住宅街
 丘の中腹にあり、下町のような住宅街。
ティエールの古い工場跡の建物
▲古い工場跡の建物が今も残っています
現在、ティエールでは様々な種類のナイフを製造する会社が約80社ほどあります。これらの工場は、現在では市街地から約2㎞ほど離れた工業地帯へ移転しましたが、市街地には今でも古い工場跡の建物が残っています。SCIP社も1976年に工場を工業地帯へ移転しました。

▼下の写真は、ティエールの工業地帯にある現在のSCIP社屋です。
ティエールの移転前のSCIP社
▲右側の建物は移転前のSCIP社。
 今はアパートになっています。
ティエールのSCIP社屋
ティエールの風景をYouTube動画で見られます 




クレルモンフェラン(Clermont-Ferrand)

ティエールから一番近い都市は、約40㎞西にある、クレルモン・フェラン(Clermont-Ferrand)です。クレルモン=フェランはフランスの中央高地に位置する都市のひとつで、オーヴェルニュ地域圏の首府であり、ピュイ・ド・ドーム県の県庁所在地です。
クレルモン・フェラン
ボルヴィック
▲ピュイドドームから見るボルヴィック

人口は約134,000人、面積は42.67km²。近隣都市を併せた人口は約26万人、クレルモン=フェラン都市圏の人口は約40万人。

クレルモン・フェランを取り囲む火山のうち、街から13km離れた最高峰ピュイ・ド・ドーム(標高1,464m)の山頂には、通信中継用アンテナが設置されています。
山頂からボルヴィック山が見えました。日本でもおなじみのVolvicミネラルウォーターはここから来ています。

フランスの中でも最も古くからある街のひとつ、現在のクレルモン・フェラン市は、クレルモン市とモンフェラン市の両市の合併によって発足しました。

クレルモンは1095年にローマ教皇ウルバヌス2世が教会会議を開き、エルサレムへの巡礼の保護を名目として聖地遠征軍(第1回十字軍)の結成を呼びかけた場所として著名です。

モンフェラン旧市街は中世の街並みを残し、その中にあるノートルダム・デュ・ポール教会はユネスコの世界遺産(サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の道の一部)に登録されています。

写真左は、近隣の火山から切り出されたヴォルヴィック石で造られた聖母被昇天大聖堂(ノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂)。この大聖堂が黒いのはそのためです。
展望台に登ると、屋根の上にある「ル・ピュイの黒いマリア像」が見られます。

クレルモン・フェランには、世界最大のタイヤ会社であり、地図やガイドブックの出版でも有名なミシュランの本社があります。フランスのタイヤ産業の中心地として、1970年には市民のうち3万人がミシュランの従業員でした。

近年、クレルモン・フェランの工場は縮小されて従業員数は半減しましたが、それでも本社機能で14,000人近い従業員を抱えており、依然としてクレルモン・フェラン経済にとってミシュラン社の役割は重要であると言えます。

ゴム製品製造を除いた、市の主な産業は、食品加工、製薬業、金属工業です。


クレルモンフェランの風景をYouTube動画で見られます 
クレルモンフェランの街角
▲クレルモンフェランの街角
ノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂
▲ノートルダム・ド・ラソンプシオン大聖堂
ル・ピュイの黒いマリア像
▲街を見下ろすル・ピュイの黒いマリア像
ミシュラン本社
▲ミシュラン本社



ラギオール(Laguiole)

フランス中南部のオーブラック地方にあるラギオール村は、クレルモンフェランから南へ約120㎞ほど下ったところにあります。
ナイフとチーズでよく知られた小さな村で、チーズもまた同じ「LAGUIOLE」と呼ばれています。

ラギオール/風景
ラギオール/牛
▲道路を横断する牛たち

標高1,000mから1,500mくらいの山々に囲まれた平野で、昔も今も主たる産業は酪農です。現在の人口は約1,240人。
写真左は、牧草地へ移動する牛が道路を横断中。車は牛達が渡りきるのを待ちます。

このようにのんびりとした日常風景ですが、近年では「ラギオールナイフ発祥の地」として一躍有名になり、観光スポットとして観光客向けのお店が集まるエリアがあります。
ラギオールでも組み立て工場はありますが、ほとんどのナイフはティエールの工場で作られここで売られています。
中には、安価に作られる中国製のものもあるそうです。

数多い店の中でも、左の写真は有名な「CALMELS」。
ラギオールナイフを初めて作ったとされる人の店で、今はその人のひ孫娘(80才)が店を継いでいます。
観光客向けのみやげものやラギオールナイフなどを売っていますが、残念ながらこの日は定休日でしたので、お店の中を見ることはできませんでした。

◆ ラギオールナイフの誕生

1829年、ラギオール村に生まれ育った鍛冶職人の男性が、特別な形の刃とハンドル部分にその地域の牛の角をあしらったポケットナイフを初めて誕生させました。
彼は通常、農作業に使用する道具を作る鍛冶職人で、刃物を作る職人ではなかったので、その特別な形のナイフはほんの少しだけそのときは作られました。

ラギオール村で誕生したLAGUIOLEナイフは、後に人々に伝わり広く作られるようになりましたが、その頃ラギオール村には刃物製造の産業が無かったため、19世紀末ごろからは、LAGUIOLEナイフはティエールで作られるようになりました。

1985年前後、ラギオール村出身の人々が集まって、ラギオール村で自分たちのLAGUIOLEナイフを持とうという動きがあり、工場を共同で作りました。そしてそれは大きく成功し、他の会社もライギオール村に起業しました。しかし、もともと鍛冶の町ではないので、全てのパーツ(刃やハンドルなど)を結局ティエールから買って、ラギオール村に建てた工場ではその組み立てのみを行っています。

発音に関して・・・
・フランス南部の人々 = ライヨール
・フランス北部の人々 = ラギオール
(例:パリの人々は?.....ライヨール、ラギオール両方存在する)


ラギオールの街風景をYouTube動画で見られます

ラギオール/観光地
▲観光地化した町の一部
ラギオール/CALMELS
▲CALMELS
ラギオール/ショップ
▲観光客向けのショップが立ち並ぶ町並み
ラギオール/ナイフショップ
▲観光客向けのナイフを売る店
◆ Michel Bras

ラギオール村のみやげものを売る町並みを見下ろすオーブラックの高原に立つ、ミシュランの三つ星を冠する世界的に有名なフレンチレストラン「MICHEL BRAS」があります。

ミシェル・ブラス
ミシェル・ブラス

レストラン「MICHEL BRAS」

ミシェル・ブラス



ミシェル・ブラスは、1946年に生まれました。
フランス中南部のオーブラック地方にあるラギオール村で、オーベルジュ「ルーマズック」を経営する母親を手伝うことで料理人としての第一歩を踏み出しました。
レストラン「MICHEL BRAS」は、彼と妻のジネット、息子夫婦や両親を初めブラス一家を中心とし、シーズン中は総勢60人のスタッフによって運営されています。

「ルーマズック」は、ミシュランの二つ星を獲得、1992年にオープンした新たなレストラン「ミシェル・ブラス」は、1999年にミシュランの三つ星を獲得しました。

周囲を一面の広大な草地に囲まれ、遠くに山々が望める絶好のロケーションの中、最高の料理ともてなしをうけられる人気のレストランとあり、予約客のみの受付ですが、すでに1年先までの予約が入っているそうです。

MICHEL BRASのレストランでも、ラギオール・ナイフがカトラリーとして使われています。
ミシェル・ブラスの父が鍛冶職人をしていたということもあり、オリジナルのカトラリーやテーブルウェアも作られています。


ミッシェルブラスから見たラギオールの風景をYouTube動画で見られます 
Millau bridge

ラギオールとティエールの中間地点に、高さ、長さともに世界一のミヨー橋があります。
フランス人橋梁技術者ミシェル・ヴィルロジュー(Michl Virlogeux)とイギリス人建築家ノーマン・フォスター(Norman Foster)により設計され、2004年の12月に開通しました。

ミヨー橋
ミヨー橋/下の景色

ミヨー橋/展望台
この橋は、フランス中南部アヴェロン県の主要都市、ミヨー近郊のタルン川渓谷に架かる、道路専用の斜張橋です。
クレルモン・フェラン市とベジエ市を結ぶ高速道路(仏:オートルート)A75号線上にあり、コース・ドゥ・ラルザック高原 (causse du Larzac) とコース・ルージュ高原 (causse rouge) を直結する、グラン・コース自然公園の境界内に位置します。
山や谷の多いこの区間での走行速度を上げ、通行にかかる燃料費削減や渋滞の解消など、自動車交通に関わる諸コストを削減することを目的に建設されました。

橋の全長は2,460m。橋脚の一番高い部分は245m、主塔の高さはエッフェル塔や東京タワーよりも高い343mあります。世界一高い橋として知られ、橋の両端にあるサービスエリアは展望スポットとして観光名所にもなっています。


ミヨー橋の風景をYouTube動画で見られます 



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