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● PROFILE ・・・・・・・・・・・・・・・・・●
田中 淳夫氏 (たなか あつお)
NPO銀座ミツバチプロジェクト副理事長
(株)紙パルプ会館 常務取締役
銀座の街研究会 代表世話人
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◆ 経歴
1957年 東京生まれ
1979年 日本大学法学部卒業 (株)紙パルプ会館に入社
1990年 同社 総務部長
2003年 同社 取締役
1993年 関係会社 ㈱フェニックスプラザ 取締役 経営全般管掌
2006年 同社 代表取締役 現在に至る
2007年 (株)紙パルプ会館 常務取締役に就任 現在に至る
◆「銀座ミツバチプロジェクト」活動の紹介
2006年春 銀座の周辺で働く有志たちが集まり、ビルの屋上45Mの場所でミツバチを飼うプロジェクトがスタート。ミツバチの飼育を通して、都市と自然環境との共生を目指すプロジェクト。採れた蜂蜜は、銀座の技としてバーやスイーツ店、デパートなどで次々に商品となり季節の話題となっている。
「松屋通り親交会」理事
「京橋消防署 防火管理研究会」監事
「東京消防庁災害時支援ボランティア・京橋消防署コーディネーター」
「NPO銀座ミツバチプロジェクト」副理事長
「銀座の街研究会」 代表世話人
「銀座食学塾」世話人
◆ 著書
「銀座・ひとと花とミツバチと」 オンブック出版
<リンク>
NPO銀座ミツバチプロジェクト
銀座食学塾
プロムナード銀座2008パンフレット(PDF)
■ 講演内容(講演レジュメより)
銀座ミツバチプロジェクト設立から3年目の今年まで
1) 設立の経緯から3年目の現在まで
私達は、2006年春から銀座のビルの屋上45メートルでミツバチを飼い蜂蜜を生産する銀座ミツバチプロジェクト(以下GMPとする)を開始しました。当初は一日40万人が集まる銀座の街でミツバチを飛ばして危なくないのか?と危惧されましたが、ミツバチは高い上空を飛ぶので、多くの人の目には触れません。また、攻撃されなければ大変大人しい動物です。また、環境指標動物と呼ばれるミツバチは少量の農薬でも死んでしまいます。ですからミツバチが元気に飛べる環境は人間にとっても素晴らしい環境である証拠になると街の方々に説得に回りました。結果として、ミツバチの飼育が出来て、環境にやさしい銀座の街というメッセージを発信することが出来ました。もちろん私達も当初は銀座の街中で蜂蜜など採れるだろうか?と不安もありました。しかし、ミツバチたちが飛べる範囲は4キロ四方で、銀座周辺の浜離宮や皇居、日比谷公園など、2キロ四方に十分な蜜源が有ったのです。更には銀座周辺の街路樹など多くの蜜源に恵まれた地域であることが分かってきました。実際の収穫量は、初年度は予想を上回る150キロ、2年目の昨年は290キロ、これは国内生産量の0.01%にもなりました。今年は天候にも恵まれ既に440キロと初年度の倍以上の収穫となりました。
こうして採れた蜂蜜を、グループ内で分けてしまったのでは街の活性化につながりません。
GMPでは、採れた蜂蜜を銀座の技で商品にしていただく。まさに「銀座で採れた蜂蜜は、銀座に来なければ食せない」と決めたのです。初年度から銀座のバーでカクテル、老舗の和菓子や洋菓子、高級レストランで料理として提供されました。
現在では銀座1丁目から8丁目まで広い範囲で、まさに銀座周辺の環境が凝縮された味を季節限定で味わっていただくことが出来るようになったのです。また、蜂蜜だけでなく蜜蝋も採れるので、130年を超える歴史を持つ銀座教会に持参してクリスマス時の蜀火礼拝のキャンドルとして使って頂きました。牧師さんからミサの最中に「銀座のミツバチから贈られた蜜蝋でロウソクを作り、クリスマスの蜀火礼拝で聖壇の周りを灯してくれました。銀座が神の国に相応しいか分かりませんが、少なくとも銀座にミツバチが飛ぶことは素晴らしいことです。」と仰っていただきました。
こうして銀座の街の皆さんと、ミツバチを通して命が繋がるイメージが出来てきました。銀座で採れた蜂蜜は最大限、街の中で活用していただける方法が出来たのです。消費するだけの街に見えた銀座が、実は江戸時代から生産する職人の街で、この街の技術で次々と新しいドラマを作っていただきました。今後もGMPは、街と連携して銀座ならではの楽しい企画を作り出していきます。以下に、現在広がりつつある様々な事例をご紹介させていただきます。
2)食の情報発信としてのファームエイド開催
美味しい食べ物を通して銀座と地方の地域が繋がることを目的として、昨年から養蜂場のある銀座3丁目の紙パルプ会館周りで地方の特産物を売る市場を開催してきました。今年は更に発展的に「ファームエイド銀座2008」と称して5月より定期的にプチマルシェとして市場を、会議場ではテーマごとに情報を提供するメッセとフォーラムを組み合わせたスタイルで食の情報発信を続けております。この催しには、農水省、地元中央区、銀座社交料飲協会など様々な団体の後援、協賛を受けて5月より11月まで開催を予定しております。(5月3日、7月19日、8月30日、9月23日、10月5日、11月24日)
3)街に活かされるコミュニティ作り
3年前にスタートしたGMPは、当初銀座の企業などで働く有志が集まり始まり毎週土曜日の早朝に作業していましたが、日を追うごとにケーキ職人、シェフ、バーテンダーなども参加し始めました。この様にこれまで出会うことの無かった世代を超え職業を超えた顔の見える関係が広がっていきました。こうした新しいコミュニティ作りを他の地域でも活かしていきたいと相談を受け、今年からGMPの指導で、品川区の中延商店街の屋上、多摩センターの多摩美術大学美術館屋上でそれぞれミツバチプロジェクトがスタートしました。現在他の複数の地域からも、ミツバチプロジェクトを発足したいと相談を受けており、来年は更に多くの地域で新しいコミュニティ作りの為のプロジェクトが広がります。
4)銀座から食べられる景観
“EDIBLE LANDSCAPE”と言う故郷作り
GMPは、昨年から養蜂場のある紙パルプ会館屋上にミツバチの蜜源として屋上緑化を実施しました。今年は銀座内の様々な施設と連携し、ミツバチの受粉で花や野菜育てる「銀座グリーンプロジェクト」が発足。老舗デパートの松屋、マロニエゲートビル、白鶴酒造等で屋上菜園がスタートしています。働くだけの銀座から、生き物を育てることで街が故郷になる食べられる景観作りを進めます。(EDIBLE LANDSCAPE)
更に、ミツバチのための蜜源を増やす為に、銀座周辺の公園や街路に樹木を寄贈する計画も推進中で、この秋に高い木を5本寄贈することになりました。
5)日本ミツバチの飼育技術の取得から新しい養蜂の可能性
昨年、銀座のみゆき通りで日本ミツバチが分蜂(巣別れ)したと中央区公園緑地課から連絡を受け、救出に出かけました。この事が縁で、今年は中央区の公園緑地課以外に、保健所、消防署など様々な部署から連絡を受け、分蜂した日本ミツバチを救出に出動しました。現在、こうして救出した日本ミツバチ複数の群は、紙パルプ会館屋上で飼う以外にも、前述の多摩センターなど希望する団体や個人に提供しております。昔から日本ミツバチは、巣箱に飼えないと言われていましたが、私達GMPは、昨年から日本在来種みつばちの会・会長、藤原先生の指導の下、近隣で救出してきました日本ミツバチを巣箱で飼う技術も習得しました。
現在、アメリカはじめ世界の養蜂業界では、古くから人間が手を加えて来た為に、西洋ミツバチはダニや病気の蔓延で群が崩壊するなど様々な問題を抱えております。一方、在来種にも関わらず、アジア種の日本ミツバチは、街に出てくると駆除される対象とされてきましたが、この在来種は元々野生の為に病気にかかりにくく、西洋ミツバチの問題を解決できる可能性があります。もし、健全に日本ミツバチが街中で飼うことが出来るようになれば、分蜂騒ぎで、いちいち行政や消防などの出動も無くなり、市民が自然と共生する当たり前の社会が実現します。今後は、この在来種の日本ミツバチの養蜂技術を広めることも、私達GMPの目的としていきます。
こうして既に私達の活動は、蜂蜜を採集するだけの活動から、様々な範囲に活動が広がっております。当初の予想をはるかに超える展開で物事が進んでいて、来年の更なる発展に向けて、新しい仕組みづくりを考えなければならない段階に来ております。